経営者としてのアップデート 次のチャレンジは「アジアを代表する越境不動産プラットフォーム」

2025年4月、じげんのグループ会社で越境不動産取引事業を展開する株式会社ビヨンドボーダーズの代表取締役が交代しました。創業者・遠藤忠義氏からバトンを受け継いだのは、若干32歳の本間陽介。
学生時代から広告代理店でインターンを経験し、そのまま取締役に就任。リクルートにも新卒入社し、数年後には起業。旅行系サービスを立ち上げまで経験した“事業家”が、なぜいま「じげん」を次のステージに選んだのか。その理由と想いに迫ります。
高校生のときには「起業をしたい」と考えていた
まずは現在の役割について教えていただけますか。
2024年5月にじげんに入社し、現在はグループ会社の株式会社ビヨンドボーダーズ(以下BB)の代表取締役を務めています。BBでは、海外不動産の購入を検討する日本のお客様向けに、物件紹介を行うサービス「セカイプロパティ」を運営しています。
あわせて、じげんグループの株式会社アップベースの執行役員として、営業・マーケティング・経営企画を管掌しています。アップベースは、不動産業界に特化した人材紹介サービス「リアルエステートWORKS」と建設業特化型の「建設JOBs」を運営しています。

これまでのキャリアについて教えてください。
大学3年の時に広告代理店でインターンを始め、1年休学してフルタイムで働いていました。そこでSEOやリスティング広告を徹底的に学び、大学4年のときに取締役に就任しています。その後も取締役を続けながら、新卒で株式会社リクルートホールディングス(現・株式会社リクルート)に入社し、 転職領域でのマーケティングを担当しました。
3年目で退職し、民泊の一括検索サービスを展開する会社を起業しました。
かなり早い段階から「事業家」としての道を歩んでいますが、起業を意識したのはいつ頃でしょうか。
高校生の頃にはもう「起業したい」と思っていました。そこから“何を軸にするか”を考えた結果、成長分野であるデジタルマーケティングにフォーカスしました。「渋谷 SEO」で検索して、インターン先を決めたのは懐かしい思い出です(笑)。

そのまま、インターン先で役員の仕事だけをする選択もあったと思いますが、リクルートに新卒入社されたのはどうしてでしょうか。
「新卒」という切符は今しか使えない、と思ったんです。
就活ではこの3つを軸にしていました。
・大きな事業に携われること
・インターン先の役員を副業で続けられること
・3年で起業したいという想いを理解してもらえること
これらを満たしてくれたのがリクルートでした。昼はリクルートで働き、夜はタクシーで役員を務める会社に行ってまた仕事、という生活を送っていました。
とても忙しかったんですが、仕事をしている時間が楽しかったんですよね。
起業を経たネクストステージに、じげんを選んだ理由
3年目で退職をされて、宣言通り起業、その後じげんに転職されるまでの経緯を教えてください。
「StayList」という、アジア人旅行者向けの民泊・バケーションレンタルの一括検索サービスを立ち上げました。2019年にリリースし、順調に伸びていたのですが、コロナ禍で一変。ベンチャーキャピタルや事業会社を50社近く回り、資金調達を経て事業を立て直しました。
その後も上場を目指していましたが、会社をスケールさせることができず、2024年に代表を退任しています。
退任を決めた後の1か月間、「次は何をするか」を真剣に考えました。
でも、この先10年以上 腰を据えて取り組みたいと思えるテーマが見つからなかったんです。
だったら、一度どこかに所属して、もう一度ビジネスと経営を学び直そうと。そんなタイミングで、じげんの人事の方から声をかけていただきました。

じげん以外には、どんな選択肢がありましたか。
宿泊施設の運営会社のCMOとして、ホテル運営のDX化推進や、AIスタートアップでプロダクトの新規事業立ち上げなどがありました。
どれも魅力的には感じる一方で、じげんには事業会社としての基盤の強さが何よりの魅力でした。
グループ会社が多数あり、代表の平尾をはじめ、フェーズの違う事業と多様な経営スタイルに触れられる環境はなかなか他にはありません。今のポジションは入社前から用意されていたわけではないので、自分自身の入社後のパフォーマンス次第で「どこかに可能性がある」と感じられたのも良かったです。

「決める力」と「仲間」が、自分を強くする
本間さんのこれまでのキャリアを振り返って、今に活きている経験はどんなことですか。
そうですね…それぞれで今の自分をつくっていると思います。
リクルートでは「インターネット事業のひとつの正解」を体得できたのが大きかったです。これは今でも、私の事業づくりの物差しになっています。
広告代理店時代や起業では、自分で決める力とやりきる力を鍛えられたと感じています。
じげんに入って1年が経ちましたが、当初の「経営の学び直し」はできていますか。
この1年は、自分の人生で一番“濃い”時間を過ごせています。
以前は「裁量はあるけど、リソースが足りない」状況で、思うように動けないことも多かったんです。でも今は、リソースも仲間も揃っているので、より自由な発想で考えられるようになりました。
定期的に受けるフィードバックも、自分の見落としていた視点を与えてくれますし、上場企業の管理体制や「守り」の部分は甘い部分もあったので、本当に学ぶことが多いです。
やっている事業は違えど、同じ方向を向いていて、相談できる経営者の先輩が近くにいるのはとても安心できますね。
「自分で決められるけれど、勝手にはできない」というバランスが、今はとても心地良く感じています。
アジアを代表する越境不動産プラットフォームをつくる
創業者の遠藤前代表から会社を引き継いで3か月ほど経ちましたが、これも新しいチャレンジですよね。
そうですね。創業者の遠藤が創った事業と組織基盤を活かしながら、新しいことを取り込んだスピーディな拡大を実現していくことはゼロから立ち上げる時とは違ったやりがいを感じています。
第二創業期として新しい価値を生み出すことや、組織のロイヤリティを醸成していかないといけないフェーズですので、慎重さを持って取り組む難しさは感じています。
最後に、BBの今後の展望を教えてください。
「アジアを代表する越境不動産プラットフォーム」をつくることが目標です。
いまは 東南アジアの物件を日本のお客様にご紹介するのが中心ですが、今後はよりグローバルに展開し、売上規模も一気に伸長させていくことを目指しています。
自分たちの手が届かない領域には、M&Aも視野に入れて拡大していくつもりです。BBがこれまで築いてきた基盤を活かしながら、新しいマーケットを開拓していきたいですね。