Follow US
facebook twitter
NO. 298
採用
CAREER

失敗しても意味のある実験設計を|プレッシャー期を乗り越えて成長した、開発Unit.新卒エンジニアの2年目

10.31.2024

バックエンドエンジニア、インフラエンジニア、開発ディレクター、データサイエンティストなど、多様なタレントが集うじげんの横断組織「開発Unit.」。今回は、そんな開発Unit.のデータ分析基盤チームに所属する23卒エンジニアの白澤が登場します。
新卒1年目の終わりに新卒MVPを受賞した白澤が、自身の成長ストーリーや開発Unit.の一員としての日々の業務に対する向き合い方を語ります。

多面的な事業の見方を学ぶ、横断組織の旨み

まず白澤さんのじげん入社のきっかけを教えてください。

私は「新卒から着実に成長できるか」と「職種や業界に縛られず、幅広い経験が積めるか」という2つを企業選びの軸にしていました。じげんはその両方に100%マッチしていたため、入社を決めました。入社して2年目を迎えますが、この選択は間違いなかったと確信しています。

事業部ではなく横断組織(開発Unit.)のエンジニアとして働きたいと、入社前から決めていましたか。

実は入社前に結構悩みました。私は将来起業したいと考えていて、エンジニアのスキルがあればそのときに役立つだろうと思い、最初は事業部のエンジニアを選ぼうと思っていました。内定後に色々と考えを巡らせる中で、「Web開発は多くの人ができるし、学ぼうと思えば独学でもできる。それならばデータチーム(開発Unit.)で、起業後にスケールできる力を身につけよう」と決めました。

なるほど、将来を見据えての判断だったのですね。現在、開発Unit.ではどのような仕事をされていますか。

現在は住まい、自動車、求人の3つの事業部を担当しています。機械学習を活用した施策の企画から、プロジェクトマネジメント・実装・効果検証まで、一貫して行っています。具体的には、比較サイトのおすすめ順の最適化やレコメンド精度の向上を通じて、ユーザーにより良い検索・比較体験を提供することに注力しています。

入社当初は担当が自動車事業部のみで、業務も機械学習を実装する部分だけを担っていました。1年目の後半から自動車事業部のプロジェクトの一部を任され、住まい・求人と担当が増えていき、今に至ります。

プロジェクトマネジメントでは、具体的にどのような業務を行っていますか。

例えば既存プロジェクトに改善の余地があるかや、インパクトがどれくらい出せるかを試算し、事業部のPM(プロジェクトマネージャー)に「これくらいの売上が見込め、コストと人材がこれだけ必要です」と提案します。その後、エンジニアやマーケティング担当とタスクを整理し、WBS(作業分解構造図)を作成します。スケジュール管理をしながら自分でも実装し、実際に試作版をリリースして、ABテストによる効果検証を行い、また次に繋げる…というPDCAサイクルを一貫してディレクションしていく感じですね。

機械学習を使った施策の一例をあげると、事業部から「レコメンドシステムを作りたい」と相談されたとします。「なぜ必要か」を深掘りし、リソースの最適配分を計算し、プロジェクトを進めます。深掘りする際に、依頼内容のレコメンドが最適なソリューションなのかどうかも、改めて考え直すこともありますね。やることが決まれば、事業部の開発リソースだけで十分な施策か、開発Unit.が協力した方が効果が最大化できる施策かを検討し、後者であれば自分がプロジェクト担当となって進めていきます。

なるほど、機械学習を活用した施策とは、例えばどういったものでしょう。

現在行っている施策は3事業部とも共通していて、主に2つの施策があります。

ひとつめは検索ランキングの最適化です。検索結果の「おすすめ順」を、ユーザーに合わせて最適化するLTR(Learning to Rank)施策を行っています。比較サイトの検索結果において、決着がつくのは最初の1ページ目であることがほとんどなので、その1ページ目のラインナップの精度を機械学習を用いて改善していくといったものです。

もうひとつは先ほど少し触れた「レコメンド機能」の改善で、例えば物件ページ下部に表示されるおすすめ物件の精度を上げるなどしています。こういったおすすめ(レコメンド)系の機能で、機械学習を用いて改善できるものは、開発Unit.が担当しています。

施策の判断をする際、開発Unit.としてどんなことを意識していますか。

課題の見極めと、横断組織である開発Unit.の役割を特に意識していますね。

例えば、レコメンド機能に関しては、「そもそも何が課題なのか?」「なぜレコメンドがその解決策になるのか?」を必ずヒアリングします。機械学習を導入する前に、もっと簡単に検証できる方法がないかを精査し、その上で開発Unit.として関わるべきかどうかを判断するためです。会社全体として売り上げに貢献できるかどうか、レバレッジが効くかどうかは常に考慮しますね。検索ランキングの改善施策の場合、ひとつの事業部で作った仕組みが他の事業部でも使える場合があります。

じげんの事業・サービスをさらに成長させるために、集客や内部改善、価格設定、クライアントとの関係構築など、どこに課題があるかを常に意識しています。その上で仮説を立てて実証実験を行い、その結果を振り返って次の仮説を立てる、というサイクルを繰り返しています。問題が本当に課題になっているか、対策が適切だったか、さらに改善できるポイントがないかなど、広い視点で確認しながら、優先度の高い課題に集中して取り組むようにしています。

確信が持てるまで安易に手を動かさず、関係者と徹底的に議論し、自分が納得するまで取り組む姿勢を大切にしています。難しくもありますが、多面的な事業の見方や多くの経験ができる、横断組織だからこそ得られる学びは常日頃感じていますね。

最も嬉しいのは、次に繋がるロードマップが引けたとき

プロジェクトマネジメントをする中で、楽しいことや、反対に苦労したことはありますか。

1年目はただやることが楽しいというか、経験を積んでいくことや、ゼロから形を作り上げることがとても楽しかったです。自分で課題を見つけて解決し、それが実際に売上に繋がったときは、とても嬉しかったですね。

ただ1年目の終わり頃には、プロジェクト単位で見たときの、結果が出る/出ないに悩まされるようになりました。機械学習に対する万能なイメージや過去の成功事例、関わるステークホルダーの多さやコストの高さから、失敗できないというプレッシャーが大きく、プロジェクトマネジメントを任された当初は、その重圧に押しつぶされそうになることも多々ありました(笑)。「うわあ、また外れた」「うまくいっていたのに駄目だ」と、自分への期待が自分自身でどんどん下がっていくのを感じ、焦っていたんです。

ですが、それらはあくまで過程であって、その中で適切な実験設計ができていれば、段々ゴールに近づいてくる、途中で失敗してもそれをナレッジに変えて次に繋げる、という考えに変わってきました。最近はその次に繋がるロードマップが引けたときがとても嬉しいですね。

また、1年目は「全部自分でやらなきゃ!」と一人で抱え込みすぎていたんです。でも今では、その時期を卒業して「自分が手を動かさなくても、自分の価値は下がらない」と自信が持てるようになりました。極論ですが、自分が実装に縛られている時間がむしろ機会損失だと感じるようになったんです。インターン生もできることを僕がやる必要はないですしね。

以前はどの領域でも自分が勝ちたいと思っていたんですが、最近は「自分が伸ばさなくていい領域は人に頼った方が効率がいい」と感じるようになりました。特に、1年目の後半くらいだったと思いますが、僕は将来起業したいと思っていて、発想力が欲しいと思っていました。でも、自分にはその発想力がないことに悩んでいた時期があったんです。同期で発想力のあるメンバーが褒められてるのを聞いたりするのも正直きつかったんです。
でも最近は、発想力がある人をチームに加えて、自分はそのアイデアを実現する側に回るのが、自分にとってのベストだと気づきました。「やりたいこと」ではなく、「できる方法」を選べるようになったのは、自分にとって大きな前進だと思います。

なるほど。そう感じられるくらい、仕事や指導、チーミングの精度が上がったのですね。

本当にそう思います。特に先輩から「失敗しても意味のある実験設計をすることが大事だ」と教わったことが印象に残っています。例えば「これを試して、成功したらそちらに進む、失敗したら別の角度からアプローチする」といった実験設計をしっかりしておけば、失敗も大きな学びになるんです。ABテストは結果をジャッジするためのものと捉えられがちですが、効果測定だけでなく、そこから新たな可能性やリスクを探るための重要なステップなんです。それを常に意識して、きちんと伝えるようにしています。

指導やチーミングに関しても、徐々にコツを掴んできました。最初からうまく仕事の舵取りができなくて、自分がしっかり仕事の枠組みを設定できずに、期待していたアウトプットとは違うものが出てくることがよくありました。しかし、今はインターンの指導を通して、徐々にそのポイントが見えてきたように思います。最初の段階では、手順レベルで枠組みをしっかり決めてあげる。そして信頼関係ができてきたら少しずつ仕事の幅を広げ、最終的に完全な信頼が築けたところで大きく自由度を持たせる。この3段階を意識することで、こちらも楽ですし、相手もやりやすくなっていると感じます。

そうやって仕事を渡す時、自分自身の考えも整理されます。曖昧な部分をなくした状態で指示を出さないと、良い結果は得られないですよね。

顧客の声を直接聞くことで見えてくる課題を探しに

2年目以降の目標はありますか。

開発Unit.という横断組織であるが故、サービスをご利用いただいているクライアントやユーザーの方から直接お話を聞くことはありません。KPIを通じてユーザ行動の変化を捉えることはできても、直接的なコミュニケーションがない中でもどかしさを感じることも少なくありません。

最近は、ユーザーやクライアントと直接関われるポジションに就き、彼らの声を直接聞きたいと考えています。幅広い事業理解やデータ分析・機械学習の素養をもつ自分が1次情報に触れることで、多くの解決可能な課題が見つかると思っていて、是非挑戦したいです。

白澤さんは1年目の終わりに、新卒MVPを受賞されましたね!その時の心境はいかがでしたか。

素直に嬉しかったです!実務も研修も全力で取り組んできた甲斐があったなと、実感した時でした。
それと同時に、じげん新卒の中でのMVPということもあり、井の中の蛙にならないように、この調子で成長をしようと決意を新たにした日でもありました。

最後に、現在就活中の学生に向けてメッセージをお願いします。

新卒1年目からスタートダッシュを切りたい!将来的には自分で起業したい!そんな野心を持った学生には、是非じげんへの入社をオススメします!
この規模の会社で、1年目から裁量を持ち、さまざまな業種に関わる人々と共に事業作りができる会社は多くないと思います。応援しています!


株式会社じげん 開発Unit.

白澤

鹿児島大学大学院 理工学研究科卒業後、2023年に株式会社じげんに新卒入社。

開発Unit.のデータ分析基盤チームに所属。住まい、自動車、求人の3つの事業部における機械学習を活用した施策の企画、プロジェクトマネジメント、実装、効果検証まで一貫して行う。

SHARE
  • facebook
  • twitter
Top