じげんのサステナビリティ活動03| 京都オフィスが 3x3を通じてつくりあげたい若者たちの未来とは (後編)
じげんは、2022年に、「学生の街」と呼ばれる京都府京都市に新たな拠点を新設し、京都を本拠地とする3x3(3人制バスケットボール)のプロチーム「ZIGExN UPDATERS.EXE(じげんアップデーターズ)」を立ち上げた。じげんがプロスポーツチームのオーナーとなるのは初めてとなる。
後編は、チームの立ち上げ~現在に至るまでの裏側について、プロジェクトを率いる本城に話を聞いた。
(前編はこちらから。)
じげんで初の、スポーツビジネスへのチャレンジ
京都オフィス新設と同時に立ち上がった3人制プロバスケットボールチームについて教えてください。
京都でオフィスを立ち上げるだけではなく、新しい価値を生み出せないか…と検討している中で、東京オリンピックの3x3の大会運営に携わっておられた方とご縁があり、お話しを聞くことができました。
グローバルリーグ「3x3.EXE PREMIER(スリー・エックス・スリー プレミア)」のリーグコンセプト「日本各地で100チームつくり、地域を活性化する」に共感し、京都オフィスの立ち上げと3x3プロスポーツチームを立ち上げることが、ほぼ同じタイミングで決まりました。
3×3と私たちの京都オフィス、運営に学生たちが携わる形は非常に面白いのではないかと思ったんです。
実は、私は入社以前から平尾に「スポーツビジネスをしたい」という話をしていたので、とても嬉しかったですね。その後、社内募集をかけ、東京本社を中心に10名ほどのプロジェクトメンバーを結成しました。通常業務と並行して、いまも運営に携わってもらっています。
スポーツビジネスにチャレンジすることも会社としては初めて。社内にノウハウがない中で、手探りで形づくってきました。
チーム名やスローガン、チームに関するクリエイティブは、プロジェクトメンバーの皆さんで決められたのでしょうか。
チーム名は、全社公募を実施してその中から選びました。ちょうど15周年でパーパスが制定された後だったので、「やっぱり、私たちが目指すのはここだ」と満場一致で決まりましたね。
スローガンの「UPDATE the YOUTH! -若者の挑戦を応援-」はじげんが京都にオフィスとチームを立ち上げる意気込みをそのまま反映させました。
チームロゴやユニフォームは、プロジェクトメンバーみんなで決めましたね。
普段はセールスやマーケティング、管理部門など、どちらかというと数字を見て仕事をしているメンバーが多いので、慣れないながらも、みんな楽しそうに考えてくれていた印象です。
スローガンを体現するのは、京都に所縁のある個性豊かな選手陣
じげんアップデーターズに所属している選手について教えてください。
Bリーガーが2名、現役大学生が3名、京都の名門校でもある洛南高校出身者が2名など、京都にゆかりのある選手を中心に集めました。PREMIERリーグでは最年少の平均年齢22.6歳(開幕当時)のチームでしたね。
選手たちは繋がりのある方からのご紹介や、自分たちでトライアウトを実施したり、SNSで声をかけたりなど、経路はバラバラです。
実績ゼロのチームに対して自分達でチームを作っていける、1から作っていくことをポジティブに捉えてくれる選手を探していました。
採用の決め手は個人によりますが、バスケにかける情熱や、体格、プレースタイル、個人の生き方やコミュニケーションなど、それぞれ光るポイントを持っていることは共通点と言えます。
選手ひとり一人と対話を重ねながら、それぞれのタレント性を大事にしながら決めました。
スポーツビジネスに関わる方々や、応援している人たちの関係構築はどのように取り組まれましたか。
直接話を伺いに行くようにしていました。チームオーナーやリーグや大会の運営の方、協会の責任者や京都市役所の方など、色んな方に教えていただきましたね。
皆さんの想いの本質は「まちを良くしたい」「誰かを喜ばせたい」という部分で、それに対してそれぞれ、色々なアプローチで実現されています。
スポーツチームが存在している価値と、事業が存在している価値は重なる部分があって、だからこそ同じ方向を向いてコラボなどの企画が実現するのだと。「〇〇のために」という共通言語があることで、想いがどんどん広がっていく。「スポーツの機能」として、結ぶ機能と拡張する機能があると思っていて、それをすごく目の当たりにできる経験だったと思います。
他チームのオーナーの方から学ばせてもらうことも多いです。皆さん心から3x3を盛り上げたいと思っていて、全力で走っておられる。皆さんの圧倒的なパワーには自分も奮い立たせてもらっています。それぞれのチームだからこそできることを組み合わせて、一緒に盛り上げていきたいと思っていますね。
運営も、選手たちも、1年目だからこそぶつかる葛藤の日々
選手やチームの変化や成長は、立ち上げ当初と比べていかがでしょうか。
勝利=成果という世界の中では、初年度から成果を出すことはできませんでした。
選手たちはもちろん悔しいと思うのですが、それは伴走している我々も同じです。
これまで仕事をしてきて悔しいことは経験してきたつもりでしたが、試合に負けるたびに「こんな悔しいことない」と感じていますね。
選手たちは、立ち上げ当初は個々の動きが多かったのですが、PREMIERリーグの後半戦からはチームとしての動きが多くなりました。選手たちの「勝ちたい」という気持ちが、行動を変えています。
インターンの2人も、選手たちとのコミュニケーションは配慮してくれていて、お互いにとっての心地良い立ち位置はできつつあるのかなと感じています。
役割が異なる中で、自分と違う価値観や考え方を持つチームメイトを同じ方向に持っていく難しさは実際にやってみないと分からなかったですね。
アップデーターズの選手は人生をかけてチームに来てくれているので、そんな可能性を秘めた彼らの、人生のひとときを共にする喜びと責任を感じています。
PREMIERリーグ終了後に、アップデーターズ主催の試合も開催されたそうですね。
はい、PREMIERリーグ終了後に、西日本に本拠地を置くチームが集結する大会『3x3WEST(スリーエックススリーウエスト)』にも参戦しました。
その誘致大会の「3x3WEST 2022 Area Final KYOTO Round.」を11月26日(土)に本拠地の京都市で開催したんです。
私とインターンが主体となり、外部のプロフェッショナルな皆さんのお力添えをいただきながら実施できました。
選手陣も運営サイドに入ってくれ、一緒に来場くださった皆さんに楽しんでいただけるように工夫してくれていましたね。
何より、ファンの皆さんや3×3関係者の皆さんを自分たちがもてなすことが出来てとても嬉しかったですし、イベント運営の大変さ、集客の難しさを身をもって勉強させていただきました。
地域に愛されるチームへ、勝負の2年目に間もなく突入
今後、アップデーターズ、京都オフィスをどんな風にしていきたいですか。
3x3はまだまだマイナースポーツであることから、プロスポーツチームとしての新しいあり方をここから作っていきたいと思っていて、それがひいては選手の幸せにつながると思います。
選手にも、プレーをすることだけでなく、チームや地域に価値を残しながら食べていける環境をマイナースポーツから作っていきたいです。
それがプロスポーツチームとして地域にできることであり、アップデーターズが幸せになる土台を作ることなんだと思います。
あとは、アップデーターズ× abcd…のコラボレーションを形にしていきたいです。
自分達のコートも欲しいですね。3x3の観戦スタイルをアップデートしたいという想いもあります。バスケットボールだけでないコンテンツの価値を作りたいと思っています。
第1弾として、アパレルブランドをアップデーターズで作りました。近々お披露目できると思いますので、楽しみに待っていてください!