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じげんのテック

来日中の現役ベトナム人BrSEが語る~オフショア開発のカギを握るBrSEとは~

12.21.2022

目次:

  • はじめに
  • BrSEとは
  • BrSEの仕事内容
  • BrSEの面白いこと
  • BrSEの仕事の難しさ
  • 日本で働いてみて感じること
  • おわりに

はじめに

初めまして、チュエンと申します。
私は4年半、じげんのグループ会社、ベトナムのZigexn VeNturaで働いているベトナム人BrSEです。
現在は日本の親会社に出張をしております。今日はBrSEの仕事について話したいと思います。この記事がBrSEに興味がある方にとって、ご参考になれば幸いです。

BrSEとは

最初はBrSEの定義についてです。BrSE(ブリッジシステムエンジニア)とは、日本などのアジア圏のIT業界で主に使われている職種で、オフショア開発において、日本企業と現地スタッフとのコミュニケーションの懸け橋を担うシステムエンジニアのことです。

BrSEの役割、仕事内容

コミュニケーションの翻訳を含め、クライアントと開発会社の現地エンジニアとの間の調整業務がBrSEの役割です。仕事内容は主に4つです。

1.プロジェクト開始前にクライアントと現地エンジニアの認識を揃える
BrSEは案件開発前にクライアントとキックオフなどを行って、プロジェクト・案件の背景や課題を理解して、現地メンバーへ共有します。
現地エンジニアから共有内容についての質問、懸念をクライアントへ確認を行って、プロジェクトの目的と進め方について両方の認識を揃えた上で開発業務をスタートできるようにします。またスケジュールやタスク管理、全員が同じ認識を持てるようにすれば、プロジェクトを円滑に進められるので、とても重要な作業です。

2.設計書の翻訳や補足説明
日本語で作られた資料(設計書、仕様書、…)を現場のメンバーが分かる言語へ翻訳をします。また、仕様理解の誤解がないように余計な部分は省略して、資料にない補足説明を行います。設計者の意図を現地エンジニアへ伝えることも重要な作業です。
クライアントに設計書を書けるエンジニアがいない場合、BrSEが仕様書・設計書を作るプロジェクトもあります。

3.開発の進捗管理及び報告
現地エンジニアの進捗管理もBrSEの仕事となります。
納期に間に合うようにタスクをメンバーに振り分けて、タスクの進捗状況を定期的にクライアントへ報告します。また遅れが発生してしまった場合にはすぐにクライアントへ報告して、解決策を提案します。

4.納品物の受け入れ確認
一番仕様を把握している人がBrSEなので、納品された成果物の品質チェックも行います。仕様書通りに動作しているかをチェックして、異なる場合の修正の指示も行います。

BrSEのスキルセット/習得過程

1.言語力
ベトナムのIT業界では日本語能力試験でN2以上の認定を受けているBrSEが多いです。N2のレベルとは「日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる」と設定されております。ベトナムの4年制大学の国際日本学科を卒業するか、日本の日本語学校で1年半勉強して、達するレベルです。私の場合、大学生の時、ドンズー日本語学校で2年間勉強し、N2(日本語能力試験)まで取得しました。しかし、日本人と話す機会がなく、会話があまりできませんでした。大学卒業後に、南学日本語クラスで1年間、日本人の教師から日本語と日本文化を学び、会話力の向上とN1まで取得することができました。その後、IT会社でテスターとして働き始めました。

2.コミュニケーション能力
橋渡しを担うBrSEとして最も重要なのが、コミュニケーション能力です。
日本語だけでなく、日本のビジネスマナーや商習慣をよく理解していることも重要です。
たとえば、発生したミスやインシデントについて5W1Hで報告し改善策や再発防止策を立てるということは、日本の企業ではよく見られる手法です。
これはミスの分析から品質向上につなげることが目的ですが、日本の企業文化の理解がない場合は、「責められている」と感じるかもしれません。このようなネガティブな影響を避けるために、BrSEが背景を理解しながら、現地エンジニアとコミュニケーションをとっていくという能力も大事です。

3.マネジメントスキル
BrSEはオフショア開発におけるプロジェクトマネージャーのような役割を担います。プロジェクトの進捗や品質を管理することもBrSEの重要な仕事であるため、BrSEにはマネジメントスキルが必要とされます。現地エンジニアに対しても対等に接し、適切な指示や管理を行うことでプロジェクトをスムーズに進めていくことが大切です。

4.システム開発のスキルと知識
BrSEがうまくコミュニケーションを取るため、システム開発方法に関する知識やプログラミングスキルは必要になります。私の場合は、まずはテスターとして1年間働き、IT基礎知識及びテスト検証知識を学びました。並行して、独学でUdemyでアプリ開発(iOSのswift言語)を勉強しました。その後、IT Comtorの仕事を始め、今の会社に入社後には、バックエンド言語、フロントエンド言語、サーバー知識を学びました。独学での勉強が多いですが、幅広い開発知識を身に付けることで、クライアントや現地エンジニアとのやり取りがスムーズになるので、非常に大事だと思います。

BrSEの仕事の面白さ

1.より多くの人と働けること
他のメンバーと比較して、BrSEの仕事はより多くの人とコミュニケーションする機会があります。

私の場合、
・ベトナムの開発チーム
・クライアントの開発チームのメンバー
・クライアントのマーケティングチームのメンバー
・クライアントのカスタマーサポートチームのメンバー
・ベトナムとクライアントの両方のマネージャー
の方々とコミュニケーションを取る機会が沢山あります。
日本人やベトナム人、また色々な技術や性格をもった人と仕事ができて、様々な価値観が学べて、とても面白いです。

2.仕事の幅が広がること
様々なプロジェクトでの経験を積むことで、コミュニケーション能力、マネジメント力、開発知識のスキルアップしながら仕事の幅を広げていくことができます。
ときには、マーケティング、デザイナーなど他業種のメンバーと協力してチームで仕事をするなど、新しい学びがあります。

BrSEの仕事の難しさ

1.噛み合わないコミュニケーション
BrSEは多くの人と連絡調整をしながら仕事を進めます。関わる人が多いだけ、スムーズにコミュニケーションが取れないことがあります。
クライアントと現地エンジニアの間に発生した誤解をどうやって解決するのか、技術的な知識の相違をどうやって説明して共有するのかなど、BrSEには頭が痛くなる課題が多いです。

2.自分の仕事の管理
仕事内容の幅が広くて、同時に多くの仕事(マルチタスク)をしなければならないとき、BrSEが自分の仕事を管理することも難しいです。クライアントと現地エンジニアのコミュニケーションを支えると同時に、開発者として開発を行ったり、テスターとして納品の品質チェックしたり、と複数のポジションを担っています。

3.チームの作業進捗管理
自分の仕事の進捗も管理するのは難しいですが、チームのタスクのスケジュールを管理することはさらに難しいです。プロジェクトが予め立てられた計画通りに進むとは限りません。思わないバグの発生や、エンジニアが病気で休職したりなど、プロジェクトのトラブルがあります。テレワーク時代、SlackやSkypeなどのツールに制限されます。直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることができないことも、BrSEが進捗管理に困る理由となります。

日本で働いてみて感じること

BrSEとして、4年半ほどベトナムで日本人と仕事をしています。しかし、日本で働くと、ベトナムでは得られないような学びがたくさんあります。

1つは日本人についてです。日本人は厳しくて、冷たくて、真面目で勤勉に仕事するイメージを持っていました。実際に日本に来てみると、マナーと時間に厳しく、勤勉に仕事しています。ですが、優しい側面も多いことに気づきました。例えば、みんなが仕事の話以外、色々な話(冗談、お勧め観光、ラーメン屋…)をしてくれますし、体調不良で休む時、心配してくれました。

2つ目は上流工程についてです。日本で働くと、マーケティングチーム、カスタマーサポートチームの業務内容を目で見て、プロジェクト全体の業務の流れを身につけることができます。普段の業務を知ることができれば、彼らの開発依頼の意図や仕様の意味を深く理解できて、こちらからも提案を挙げられますし、優先順位を決めることができます。

終わりに

BrSEという仕事は非常に楽しいです。日本からのIT開発の案件数も伸びているので、更にこのポジションの需要は増えていくだろうと思います。プログラミングに興味があって、プロジェクトや人をマネジメントしてきたい人には本当に向いていると思います。この記事が皆さんの参考になることを願っています。

 


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