Follow US
facebook twitter
NO. 127
BUSINESS
じげんのビジネス

じげん初の統合報告書「ZIGExN REPORT」リリースの裏側・取締役&新卒のIRチームが体現する「挑戦を続ける組織」とは

11.01.2021

2021年8月、じげんグループ初となる統合報告書「ZIGExN REPORT 2021」が発表されました。
15周年を機にサービス・組織・全方位のアップデートを目指すじげん。
取締役の波多野と、新卒2年目の東江が二人三脚となり、完成させたプロジェクト。当時を振り返りながら、「挑戦を続けるIR組織」について話を聞いた。

取締役&新卒のIRチームが主導した統合プロジェクト

まずは、自己紹介も兼ねて、お2人のお仕事内容を教えてください。

波多野:私は2018年からのじげんに入社して、今年は4年目になります。2021年からじげん取締役に就任し、IRの他、経理・財務・労務・総務などコーポレート部門の責任者をしています。

東江:私は2020年にじげんで初めて管理部門の新卒として入社しました。今は経理とIRを主に担当しています。経理では子会社の単体決算、連結決算関連業務や法廷開示資料の作成を、IRでは海外IRチームとして投資家対応・IR資料の作成、開示資料の作成などを担当しています。

お2人が取り組んでいるIRの課題について教えください。

波多野:コロナ以前のじげんは、生産性を重視したIRを長年続けてきました。右肩上がりの成長で、業績だけをしっかりと伝えていれば会社の理解を促進しなくとも株主の方がついてきてくれていたというものでした。ところが20年3月期、21年3月期とコロナの影響も受け、業績についても業績以外についても、対外的に丁寧に説明する必要性を感じました。
さまざまな属性の投資家間における情報の格差が課題ですね。さまざまな株主の方が当社を応援してくださる中で、タッチポイントを増やしていかないといけないと考えています。
また、東証一部上場から、今後プライム市場に市場変更するとなると、国内投資家向けだけではなく、海外投資家向けに英文でのIR開示と説明責任が求められますし、ESGやSDGsなど社会的要請への高まりも大きくなり、我々を取り巻く環境の変化に応えられるような体制・情報発信が必要だと感じています。

取締役 執行役員 波多野

東江:投資家の方々とのミーティングで「じげんって何をやっているのかわからない」という声をいただくことは少なくありません。
じげんグループは複数の領域で、複数の事業を運営しており、国内の機関投資家やアナリストの方々であっても理解が難しい、もしくは理解に時間を要するのであれば、個人投資家や海外の方々となるとより難しいのだと感じています。
このような「属性間の情報格差」の解消に向けて、「知る機会」の提供や「理解を促進する手段」を増やし、もっと分かりやすくお伝えすること、また色んな方向でアプローチすることが必要だと改めて感じています。

これまではどちらかと言うと国内機関投資家やアナリストの方々に向けたIRがメインになっていましたが、9月には個人投資家向けの説明会も再開し、今後は海外向けの開示や情報提供体制の整備、およびコミュニケーション強化にも注力していきたいと考えています。

そういった課題感もあり、このたびの統合報告書プロジェクトが始まっていったと思うのですが、スタートはどういったものだったのでしょうか。

波多野:昨年あたりから、「再来年、つまりプライム市場に移行する2022年ぐらいには統合報告書をリリースしたい」と、漠然と考えていました。
今年の2月ごろ、平尾が登壇イベントで外部の経営者の方々とセッションをする機会をいただいたのですが、直近のSDGsへ機運の高まりを痛感したようなんです。
「今年、統合報告書を出せないか」というところから、一気に予定が前倒しになりました。

*統合報告書 「ZIGExN REPORT」

2021年8月に発表した統合報告書「ZIGExN REPORT」

時期的には遅いタイミングでしたよね。決算もある中で葛藤があったと思うんですが、お2人はどう感じておられたのでしょうか。

波多野:スケジュール的にタイトになることは容易に想像ができましたが、逆に代表がSDGsの取り組みに前向きになったことは、会社にとってポジティブなターニングポイントになると感じました。
瞬間的に業務負荷については頭をよぎりましたが、すぐにこのタイミングを逃したくない、今年に統合報告書を出したいという気持ちになりました。

東江:私は波多野より少しあとのタイミングで話をもらったのですが、急遽だったので少し驚きました。これまでは数値で見せていくことがメインだったのでSDGsへの取り組みをはじめとする非財務情報の重要性の高まりを、きちんと世の中と足並みをそろえていく流れは大きな転換だと思いましたね。

波多野:平尾とは、中期経営計画 「Z CORE」を作り始めている時に「サステナビリティをどうするか」と話はしていたのですが、当初はそこまで熱量は高くありませんでした。
役員間でディスカッションを重ね、平尾が決めた瞬間、ガラッと変わりました。彼の柔軟性と決めた後のコミットまでの早さ・ゴールを描くスピード感は凄まじく、4月にはサステナビリティ推進室を立ち上げて、5月にはリブランディング・パーパスを打ち出しました。切り替えや方針転換の早さは、傍で働いている私でも毎回驚かされます。

中期経営計画書「Z CORE」
5月にはロゴ・コーポレートサイトもリニューアルし、パーパスも打ち出した

タイトなスケジュールの中でどのようなプロセスを踏まれたのでしょうか。

東江:まずは業務を委託するパートナー探しからスタートしました。色んな会社の方にお声がけさせていただいたのですが、「今の時期からですか?」と驚かれましたね。
もともとデザイン面だけを依頼する予定だったのですが、初回ということで企画も含めてお願いできるところを探しました。

東江さんは、新卒2年目(20年卒)で大きなチャレンジだったかと思います。特に大変だったことはなんでしょうか。

東江:1番大変だったことは、関係者が多数いる中での調整ですね。
こちら側からきちんと伝えたと思ったことが伝わっていなかったり、反映されていなかったり。逆に相手が伝えたと思ったことが、我々が認識しなかったことなどコミュニケーションの部分で苦労しました。
その都度内省し、自分が社内と外を繋ぐ立場として、相手が欲しい回答や情報を社内外含めてスムーズに得られるようにすることは意識しました。タイトなスケジュールに重ねて、私自身が経理とIRを兼務しているので年間通しての1番の繁忙期ということもあり、効率的なコミュニケーションは心掛けていましたね。

入社してから職種の特性上、「共通言語」のある方々とお仕事をご一緒する機会が多かったのですが、今回のプロジェクトで関わってくださる皆さんは制作の方も多いので、「共通言語」が少ないチームです。
会話の中で相手のニーズをそれぞれくみ取り、「言われたまま」投げるのではなく、核の部分だけ抽出しながら適切な回答や判断が得られるためのコミュニケーションは意識しました。ミスがあれば素直に受け止めて、次に進めていくことは徹底していましたね。

経営管理部 東江(2020年・新卒入社)

ありがとうございます。ピンチだと感じたことはありましたか?

波多野:ギリギリのタイミングで、一部の原稿を全部書き換えたことですね(笑)。
きっかけは「じげんのことは一般の人にはわかりづらいんだ」ということを改めて再認識したことでした。そこまで制作パートナーの皆さんが頑張ってくれたスピード感をより加速させるためにも、IR・PRチームみんなが一丸となって、手を動かしました。

特に思い入れの強いものはどのあたりでしょうか。

波多野:「Well-do-being」のところは制作パートナーにも「じげんの強みが表現されてない」と指摘されたこともあり、より伝わりやすくするように社内でも人事などの協力仰ぎ、何度も修正しました。

東江:私も改めて、「じげんの強みってシンプルに伝えるとするとなんだろう」と考えを整理して、初めてじげんを知る方にもきちんと平易な文章で理解してもらえるように意識しました。

重視されたのはどれだけわかりやすくするか?という点かと思います。それ以外にもこだわった点はありますか。

波多野:じげんの総合的な魅力を凝縮して伝えることが目的のひとつだったので、「人」「組織」など、これまでの決算資料等では見えない、ある種の「手触り感」を魅せたいという想いはありました。
執行役員のインタビューを掲載したり、これまで明文化してこなかった目指す組織の姿は丁寧に作りこみました。「人を大切にする」という潮流の中で、流されるばかりではいけない。平尾が人事戦略には特に強い思い入れがあることをよく分かっていますし、じげんグループ流のウェルビーイングである「Well-do-being」をどう表現するかという部分は特にこだわりましたね。

事業責任者のインタビュー
特にこだわった Well-do-being のページ

実際に報告書ができあがってからの感想や、周囲の反応はいかがでしたか。 投資家とのミーティングでのフィードバックなどもお聞かせください。

東江:これまで何度かミーティングしたことのある投資家やメディアの方に、「報告書を見てやっとわかった」という声をいただくこともありました。最近、英文の統合報告書を海外投資家にも送ったのですが、「とても役立った」という嬉しいお声もいただきました。
改めて「わかっている」前提ではなく、「わからないこともある」ということを意識する大事さ。子供でもわかる言葉で説明してほしいと。そういったフィードバックもこういった形で反映できてよかったと思います。

お互いにわかっているつもりのコミュニケーションじゃなくて、わからないことをわかるように丁寧に伝えることで、よりコミュニケーションの質は上がっていきますよね。波多野さんはいかがでしょうか。

波多野:やはり、じげんグループに関わるすべての方に深く理解し応援していただく会社にしていきたいです。株主の皆さん、投資を考えておられる方、その他のステークホルダーの皆さんにとって、じげんを理解するためのわかりやすい入口となってほしいですし、IR視点では当社の魅力の「人」の部分が、人件費としか伝えられていなかったので、より多面的にじげんの魅力を伝えるツールができたことはとてもよかったと思います。
今年初めて公表したばかりで、まだご覧いただけていない方々も数多くいらっしゃると思います。今後はよりブラッシュアップして浸透させる努力も必要だと思います。

東江さんに質問なのですが、今回のプロジェクトで、ご自身の成長を実感されたことはありますか。

東江:限られた時間できちんと成果を出す、いろいろなプロジェクトを平行している中で、受け取ったボールをなるべく早く投げ返すことは意識するようになりました。
優先順位をつけてすぐに対応しないと、自分がボトルネックとなって先が進まないこともあるので、全体にも影響が出てしまう。そうならないように受け取った時点ですぐに打ち返すことは大事だなと感じました。後回しにすると文脈や背景を思い出したりする余分な時間がかかります。最短でリターンすると効率的なので、そこは意識しています。

はじめてのことが数多くある中で、すぐにボールを返せないこともあると思います。若手の方にはそういうケースも多くあると思いますが、心掛けていることはありますか。

東江:自分だけでは迷うことだらけなので、自分なりに調べて仮説や考えを持った上で、「これでいいですか?」と素直に聞くのが1番早いと思っています。自分で考え続けても効率がよくないし、素直に経験や知識がある方に教えていただくこと。それを踏まえて次回以降は自分で考えることができるので、初期段階はそこまで思い詰める必要はないと思います。

波多野さんから見て、東江さんの成長はどう映っていますか。

波多野:東江の場合、基本的に「まったく手がつけられません」みたいな形でパスはされたことは一度もなくて、ある程度自分の中で「たぶん、こうなんですが」と一通り咀嚼してから質問を投げてきてくれていたので、すごく仕事がしやすかったです。様々な方と仕事をする中で、知ったかぶりで進められてしまうと、見ている側としてはどこまで理解しているのか不安になり、確認することが必要になってきて、そこにすごく時間がかかってしまうケースもあります。
「ここまでは考えられたけれど、この先どうして良いか悩んでいる」ということを率直に言ってくれるので、コミュニケーションが非常にとりやすかったですね。

社外とコミュニケーションをする中で、私たちの実現したいことがうまく伝わっていなかったり、時間的にできなかったりすることが多々あった中で、東江が率先してコミュニケーションをとり、関係者の仕事を進めやすいように工夫してくれていました。全体の調整をしながら細かな部分もしっかり見てくれていて、ひとつひとつの言葉の意味、込める思いを考え抜いてくれている印象でした。英語だけではなく、語学全般が得意なんですね。「こっちの言葉のほうがいいんじゃないか」とこだわりを持ってやってくれていた印象です。もともと自分で考えて仕事をしていて、ただ考えていることを言わずに自分の中に留めておくことが多い印象でしたが、統合報告書の作成を経て、行動や言葉に現すことが増えました。日常的なインプットも人一倍頑張っているので、今後はより加速させて、行動や言葉にして周囲に主張し、説得力を増すことができるとより飛躍しそうだなと期待しています。

東江さんは自主的に日々勉強されているんですよね。今後、チャレンジしたいことはなんですか。

東江:やりたいこともやるべきこともたくさんあるので、その中でいち早く波多野がやっている業務を自分でもできるようになることで、仕事を奪うというか「波多野を早く暇にさせるぞ」という気持ちで取り組んでいます。

じげんではインプットしたことをすぐに活かせる環境があります。それが非常に嬉しいですし、ありがたいなと思います。そういう機会を今後ももらえるように、きちんとインプットしつつ、機会がもらえたら成果を出していく好循環に繋げたいですね。
波多野は私から見て、知識も経験も豊富なのに、さらに自分を磨き続けているのが傍にいても伝わってくる人です。部下としてとても刺激にもなりますし、「負けないぞ」という気持ちにもなります。ロールモデルでもあり、心の中で勝手にライバルだと思っていますね。(笑)

今回リリースした初回の統合報告書では、じげんをあまり知らない方への情報発信が大きな目的ですが、次は海外IRチームとして、国内外の投資家間の情報格差を解消することが当面のチャレンジだと思っています。海外IR体制の構築ですかね。
直近では英語サイトの開設も考えています。日本語レベルまではすぐに難しくても、同じくらいのレベル感で情報開示も行って、限られたミーティングの時間がより質の高いものになるように、事前にディスクロージャーできることはきちんと情報提供をしていきたいと思っています。

IRの課題がいろいろある中で、今後どんなチームを作っていきたいと思っていますか。

波多野:IRの課題としては量を質に転換していきたいと考えています。
総合的にやることや量も増やしていきたいのですが、そのための課題、やるべきことはとても多いです。英語の開示もそうですし、国内の個人投資家向け説明会も数年ぶりに実施しましたが、今後も続けていきたいですね。投資家のエンゲージメントを高めるIRにしないといけません。ファンを1人でも多く増やしたいですし、数字を分解してわかりやすく伝えて、信頼関係をつくっていきたいと考えています。
私たちが挑む課題はまだまだたくさんあります。

よくメンバーにも言うことですが、「課題が多いほど成長余地も大きい」と。
言われたことをこなしてコミットするチームではなく、課題の本質を理解して解決することで大きなムーブメントを起こせますし、そのプロセスの中に、自分の成長があるということを私が体現していきたいです。東江にも、「自分の成長が企業価値向上に直結するよ」と言っているので率先して頑張ってほしいですね。
IRは会社のことを総合的に発信していく仕事です。一定の知識・スキルも必要ですが、自分が会社と同化するくらいに理解を深める必要がある。その点で、東江は新卒でじげんが初めてという環境で、吸収力が高いのでフィットしやすい。IRの強力な一員として期待しているところです。
キャリア採用も今募集をかけていて、私たちが実現したい未来に向けて、今のチームに欠けている視点やスキルを持った方がいると、より強くなると思いますね。


(左)
取締役 波多野
2006年 名古屋大学経済学部卒業。
2006年 公認会計士第二次試験に合格。有限責任あずさ監査法人入所。
2010年 公認会計士登録。
2011年 ライフネット生命保険株式会社に入社。経理部マネージャー、経理部長を経験。
2018年 株式会社じげん入社。
2020年 同社執行役員就任。
2021年 同社取締役就任。

(右)
東江
2020年 大分大学 経済学部卒業。
2020年 株式会社じげん 新卒入社。経営管理部にて経理・IRを担当。

SHARE
  • facebook
  • twitter
Top