「リジョブ介護」から「リジョブケア」へ。若手4名の介護領域に対する強い想い(後編)
今回は、先日リニューアルが発表された「リジョブケア」のサービスを支えるメンバーが登場。介護領域の労働環境に向き合い続け、サービスは7年目を迎えた。後編では、介護業界の現在、「リジョブケア」が目指す方向について、4人それぞれの視点から強い想いを語ってもらった。
[写真左から 小泉・上妻・中村・花木]
コロナが介護領域にもたらした変化とは
最近、業界の変化を感じることはありますか。
花木:「自分たちで効率的に費用対効果を見ながら広告を回していこう」という潮流がありそうです。特に大手の介護企業では、自社のマーケティング人材が採用広告も運用しており、外部の人材を使っていないという声も耳にします。それ自体はとても良いことだと思いますが、一方で我々としては提供する求人サービスが介在する価値を拡大し続けなければ、存在意義がありません。そのために、常に新しい価値を作っていこうと考えています。
求職者の変化についてはいかがでしょうか。
小泉:コロナ禍以降は、無資格や未経験の方の応募が増えてきています。どの業界も大変だと思いますが、介護分野の有効求人倍率はコロナ前よりむしろ上がってきている傾向が見られますね。そこに加えて、無資格や未経験の方がご応募を考えている傾向が多いです。特に、これまで応募が少なかった若年層や高齢層の求職者の方が増えてきている印象です。
そしてコロナ禍によって、訪問介護やデイサービスといった施設のオーナー様方が、経営に対しこれまで以上に向き合っておられる印象も受けます。今までは雇用を積極的には検討しなかった層に対しても、向き合っていく必要性に気付いていただけたのかなと思います。新たな層の活躍は業界発展に向けた第一歩だなと感じますし、その方たちへのソリューションの提供はこれからもぜひやっていきたいですね。
やはりコロナで、市場や人の動きも変わっているわけですね。
花木:そこでサービスを変えていこうというのが「リジョブケア」です。コロナ禍の現場を支えるために、エッセンシャル領域へも広げていきたいと考えています。介護職の周辺にある、生活に必要不可欠なこの領域を支えている方々は必ずしも介護資格の有り無しに縛られないからです。例えば、施設の送り迎えに必要なタクシードライバーも該当しますよね。
今回のコロナ禍で「エッセンシャルワーカー」という言葉は定着しつつありますし、重要な職業であることに色んな方が改めて気付く機会が多かったと思います。市場としては活性化していますし、こちらとしても厚くしていきたい流れです。
介護領域にとどまらない、「ケアする人たち」を応援していきたい
「リジョブ介護」から「リジョブケア」にリニューアルした経緯をお聞かせいただけますか。
上妻:まず、サービス名変更ですが、従来は「リジョブ介護」という名称の通り、介護領域で支援をしていました。今後は介護にとどまらない領域まで、支援の幅を広げていきたいと考えています。リニューアルを行ったきっかけのひとつは、これまでサービスを成長させてきた中で、リハビリや医療機関、障がい福祉系などへ支援を広げていったこと。もうひとつが、コロナ禍による医療現場の状況変化に対応し、関わる業界を支えたいという想いが大きいことです。実際コロナの影響で、医療機関では慢性的に人手が不足している状況で、介護施設にも同様のことが言えます。
これからさらに専門職・有資格者の雇用の必要性が高まる一方で、こういった方々の置かれている労働環境では深刻な社会課題が起きています。先日、美容系のクリニックで働いている看護師さんにお話を聞く機会がありました。美容クリニックでは医療的行為も行われるため、看護師資格を持っている方が働かれています。その看護師の方は、「もともと病院で働いていたけどコロナ禍で残業も多く、休みもないので転職した」と話されていたんです。その方曰く、同じような状況の同業者の方はとても多く、美容領域に人が流れているケースは少なくないようなのです。
介護職や医療従事者を増やしていかないと、現場に身を置く方の労働環境課題はより深刻になっていくと思います。そういった背景も汲んだうえで、リジョブケアは介護に留まらないさまざまな職域・職種の採用支援へと幅を広げました。
花木:「介護事業を美容に並ぶリジョブの柱にしていきたい」という思いは、立ち上げ当初から持っていました。そして、介護業界がコロナ禍で大きく影響を受けたこともあり、「リジョブケア」は、関わっている業界を広げていこう、チームケアの周りの人をも拾っていこうという方向性です。範囲を広げることと並行して、これまで同様、専門性の高い職種を求める施設に対してもフォローしていきます。「広く」と「深く」の両輪でやっていくことで、扱う職種が2倍になります。これらの流れから、我々が関わる範囲が「介護」という名前に収まり切らなくなってきたので、「リジョブケア」というサービス名に変更しました。
動画コンテンツで「求人情報の向こう側」まで伝えられる設計に
新しい施策として、動画コンテンツが追加されましたね。
花木:どの求人サービスも工夫されていると思いますが、リジョブケアも同様で、求人ページに条件がただ書いてあるだけの冷たい広告のページになってしまうことは、私たちの望むことではありません。求人メディアリジョブとして「想いを結ぶ」というプロダクトビジョンを掲げているため、求職者と企業の想いをしっかりと結ぶためにはどうするかを考えています。
応募だけでも採用だけでもなく、希望通り、相思相愛の形で想いを結ぶには双方にどういう付加価値をつけるべきか。求人広告はどうしても平面的なので、より立体的に施設の雰囲気や採用担当者の人柄を伝えるために、90秒の紹介動画を新たに掲載できるサービスに進化させました。
もちろん、動画紹介付きの求人サービスは増えてきていますよね。それだけに、動画の内容がすごく大事だと考えています。「リジョブケア」はやっぱり想いを結びたいし、想いのマッチングを実現していきたいので、その狙いをどう体現するのかを、科学しながらやっていきたいと考えています。その責任者が上妻です。
上妻:いま、動画作成のアプローチを色々試しながらやっています。求人広告を作るとなると、企業側はどうしても「こういう人がほしい」「これができる人がほしい」といった、企業視点での条件を中心に書いてしまいます。一方で、求職者からすると自分が知りたい情報が載っているかというと、必ずしもそうでないことがあります。動画では「求職者視点」で、その埋められていない部分をフォローしたいと考えています。色々な表現を模索しながら、「リジョブケア」らしい、求職者に刺さる紹介動画の正解パターンを見出したいですね。
並行して、事業所側の動画作成をサポートするスキームも検討しています。現場の業務も採用もと、日ごろから忙しくこういった動画を作成する時間がない企業様の撮影や編集の手間を省ければと思っています。そして動画作成をサポートする中で「求職者視点で考えることの重要性」をお伝えすることが、企業様の採用力の向上にもつながればと思っています。
今回、動画コンテンツを作るにあたってお客様にヒアリングした際に、「求人には打ち出していないけど、うちってこうなんだよ」といった、私たちが知らなかった側面がポンポンと出てきたことがありました。「どうして求人に打ち出さないんですか?」と聞くと、「そんなに恩着せがましく言っちゃうのはどうなのかなと思って」とおっしゃっていて、すごく勿体ないと感じましたし、おそらく求職者はそういった「求人情報の向こう側」を見たいのだろうと思ったんですよね。
花木:動画にとって、大事なのはむしろコンテンツの本筋じゃない部分に見え隠れすると思うんです。たとえば撮影現場で、「ちょっとカメラを持っていて」と採用担当者が職員の方に手渡すときのコミュニケーションなど、ささいな会話からも関係性や職場の雰囲気はすぐに伝わります。コンテンツの内容はもちろんですが、加工されていないふとした瞬間のコミュニケーションを切り取ることが、実は一番求職者には伝わると思うんです。
これまで拾い切れていなかったことも含めて、施設や企業の魅力を詰め込んだコンテンツにしていきたいですね。ガチガチのルールに沿ったものでなくて良いと思っています。
中村:そして、どの職種もそうだと思いますが、「おもてなし領域」と言われる職場では特に、職場の雰囲気や人間関係が、人材の定着や採用に影響しやすいと感じています。求職者の方もかなり気にされていますね。そこを求人広告で打ち出すことにこれまでは限界があったのですが、動画コンテンツによって求人広告自体の可能性が広がると思います。「アットホームな職場です」と求人広告に書かれていても「それ本当?」と思われてしまうこともあるかもしれませんが、動画であれば、言葉で伝わり切らない部分の信憑性を持たせるような表現が可能になります。
動画コンテンツは少し前に比べると、日常にあって当たり前のものになりましたよね。「リジョブが動画サービスを始めました」と言っただけでは、感動や価値は感じていただけないと思います。私たちが「これは価値がある!」「やるべきだ」と独りよがりで思っていても仕方がありません。クライアントが表現したいけど、しきれていない部分、魅力的に感じている部分をしっかりとアピールする新たなチャネルとして根付かせ、求人広告の向こう側にある魅力を伝える大切さや価値を、フロントに立つ営業チームがしっかりとクライアントに伝えていきたいです。クライアントに伴走しながら、独りよがりにならないサービスをつくることはこの先も大事にしていきたいですね。
想いを結び続け、「ケアをし合える社会」をつくっていきたい
これから、リジョブケアはどのように進化すると思いますか。
花木:介護業界も社会全体の変化の影響を受ける中で、人材不足や、外国人労働者問題など、業界が抱える課題はまだまだ解決できていません。目の前には多くの課題が残っていますが、まずは求職者の選択肢を増やすべきフェーズにあると考えています。「リジョブケア」にたどり着いた求職者の皆さんには、最終的には就職活動の支援を超えた価値提供をしていきたいですが、まずは1人1人の求職者に対し「より多くの選択肢を提供できるプラットフォーム」でありたいです。
そして今後は選択肢の一方的な提供だけでなく、動画などの付加価値も通じてより良いマッチング・採用・結び目を生み出す仕組み・仕掛けを整えていきます。単純な求人情報提供サービスであれば、リジョブケアでなくても代替できるサービスは世の中に多くありますし、価値ある結び目を創っていくことは簡単ではないですが、社会課題解決を志し、日々業界課題に向き合っているメンバーが集まったこのチームだからこそ長期視点を持って成し遂げられることだと思っています。「リジョブケアのおかげでこんな良い施設に出逢えた」と言ってもらえるような事業にしていきたいですね。
中村:私たちがずっと目指しているのは、業界で働いている方々の地位向上、胸を張って働ける社会です。支える人間が減っている社会の中で彼らが踏ん張り続けられる、というか、そもそも踏ん張らなくてもいい社会。もちろん、変えるべきところと変えなくてもいいところがあると思いますが、根本を変えていくことがキーワードだと思っています。そのためにも、いま業界で働いている人たちが働きやすい社会になることが、これから働く人を増やすことにつながります。関わる人が増えれば、お互い支え合える社会、労働参加できる仕組みは生まれるのではないかなと。
そしてゆくゆくは、少子高齢化問題を解決していきたいと思っています。今回「リジョブケア」へサービスを拡充し、関わる領域をより広く見られるようになったからこそ、もっと根本的な課題解決をしていきたい。保育士さんなども含む、障がい福祉の強化などもサポートできるサービスになっていけば、介護領域にとどまらない、足元の課題から根本的なところまでケアするチーム、サービスに成長できるはずです。
上妻:個人的な考えにはなりますが、たとえ高齢者と子どもであっても、ケアをする対象には共通している部分があると思うんです。将来的に、リジョブケアのサービスでそこを横断できるようになったらもっと良いのではないかなと思っています。北欧には、介護職や保育士などに細かく分かれておらず、まとめて「ケア資格」となっている国もあります。そうすると広がりも増えますし、少子高齢化の時代にもっと柔軟に対応できるのではないでしょうか。子どもが少ないときは高齢者をケアするなど、そのとき足りないところを補う仕組みができれば、もっと良い循環が生まれるのではないかと学生時代に思っていました。それが実現できそうなくらい、「リジョブケア」の可能性は広がっているので、ゆくゆくは取り組んでいきたいですね。
花木:その上で、いずれは身体へのケアだけではなく、メンタルケアの部分にも踏み出していけるといいなと思っています。数年前に比べると、「心の健康」に対する意識は上がりましたよね。周りに対していつも優しくて、自分のことだけではなく周りを考える人って、世の中に少なくないなと思います。一方で、一生懸命に働きすぎて心身を壊すことになり、大好きな介護職が続けられなくなった人の話もよく聞きます。
利他の心を持っている方が多いからこそ成り立っている業界かもしれませんが、だからこそ他者を思いやる気持ちと同じくらい自分を大事にしてほしいと思います。少しわがままな願望かもしれませんが、リジョブケアのユーザーの方々が自己実現をしていくことをサポートできるとすごくいいなと思っています。
自分を大事にした時に、本当にやりたいことが見つかって転職してもいい。その意味でも別領域を用意しておきたい。そういうことを包括的にカバーしていくことが、業界で働く人々、そして業界自体を支えることにつながるのではないかなと思っています。だって、一度や二度の挫折で大好きな業界や仕事自体を諦めて欲しくないじゃないですか。
業界全体のウェルビーイングっていうことなのでしょうか?
小泉:ユーザーの選択肢を増やして領域を広げることももちろんですが、介護事業者側にもより良く変化していく必要があると思います。「リジョブケア」だけで業界に変化は起こすことは難しいですが、エッセンスを伝えることはできると思うんです。他社にはないカスタマーサポートや、営業など最前線で「サービス以外の価値」もしっかりと提供できるチームになって、「リジョブケア」を使ってくださる方々のみならず、変わっていこうとされている業界の事業者側の皆様とも、伴走していきたいと思いますね。
中村:ケアの重要性が世の中に広まっていけばいいなと思いますね。今はどうしても、ふるい落とされていく社会になっていると感じます。「付いてこれない人はしょうがない」社会ではなくて、「あいつ、ちょっとしんどそうだからケアしよう」と当たり前に周りが気付いて動いて、お互いが支え合える社会が理想です。「自分のケツは自分で拭うものだ」という自己責任が当たり前になっていることから少し視野を広げてほしいですね。SDGsでも、「誰一人取り残さない社会の実現」と掲げていますが、「ケアされることもケアすることも当たり前」という意識が浸透すると、より生きやすい社会になるのではないかと思います。
花木:「ケア」という言葉には介護ケアという意味だけではなく、お世話や配慮、お手入れ、メンテナンスといったニュアンスも含まれます。大切な人や周りの方々をケアするためにも、自分自身の心身のケアも大切に出来る人をより増やしたいですね。その一助をリジョブケアが担うことで、誰もが本質的な豊かさや価値を感じられる社会、ウェルビーイングな世の中に近づきたいと思います。
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