リジョブで策定されたプロダクトビジョン、先行きの見えない未来に投じる結び付けたい想いとは(後編)
じげんのグループ会社で、美容・介護領域の求人メディアを運営しているリジョブ。前編ではリジョブの求人サービス「リジョブ」の「プロダクトビジョン」策定の背景について、プロジェクトを牽引したグループマネージャーの大貫(写真左)と赤羽(写真右)に語ってもらった。後編では、コロナ禍におけるリジョブ社内外について。コロナが美容業界にどう影響を与え、リジョブの組織はどう変化したのか。少し先の未来を見て、どんな状況でもしなやかに、力強く一歩一歩進んでいくリジョブ。じげんとはひと味違った「事業家集団」の神髄とは。
コロナが、「本質」と向き合う機会をつくってくれた
コロナ禍で美容業界のマーケットはどう変化したのでしょうか。
大貫:大変な思いをされているクライアントも、もちろんいらっしゃいます。ただ、マーケット全体という意味では、「本質の価値」にそれぞれ向き合う機会だったと捉えています。
求人領域のお話でいくと、求職者側は「今の環境を見直して、もっと別の環境で働きたい」であったり、「業務委託で働こうと思っていたけど、正社員として安定した働き方に変えたい」といった美容師さんが増えたように思います。一方で、「こんな状況だからこそ、きちんと人を採用しておきたい」とおっしゃるクライアントも増えました。
具体例を挙げると、求人サービスのスカウトをたくさん打ったときに、想定していたより多くの反響があったんです。その反応を見ていて、施術ができない状況の中で、「自分たちは今後、どう美容業界で働くのか、どんなお店経営が良いのか、どんな風にお客さまに喜んでいただくか」に皆さんが真剣に向き合っていた印象を持ちました。
個人的には、「美容の本質」に気付かせてもらえるできごとでもありましたね。どんな大変な状況であっても、美容室に行きたいとおっしゃる方はとても多い。会社はもちろん、人と会う機会もかなり減ってしまいましたが、「自分自身が健やかで美しくありたい」という気持ちは、人に会う・会わない関係なく、人間の自然な欲求のひとつなのだな、と今回のコロナで気付かされました。
赤羽:確かに、「人が財産だ」と改めて気付かれたクライアントが多いなと私も感じています。
そういったクライアントに対して、リジョブとしても、コロナ禍を受けて色々と施策を出していました。たとえば「コロナ禍でも採用を積極的にします!」という無料の特集ページ(※①)を組ませていただいたところ、募集開始9日後には、500社を超えるクライアントからのご掲載希望がありました。皆さん「こんな状況だからこそ、しっかり人を採用していきたい」という姿勢を見せてくださって、非常に嬉しかったですね。「~新型コロナウイルス対策~今からできる集客・採用アイデア特集」という資料(※②)をお配りしたりもしています。
その他にも、緊急事態宣言中はお店が営業できないので、契約期間中であっても掲載を一時的に中止させていただく対応をはじめ、その他のオペレーションに関しても既存のルールを一部緩和するなど、我々ができることを少しずつやらせていただいて、喜びのお声をいただく機会も多かったです。
本質に向き合い続け「揺るがない組織」をつくり、しなやかに、最適な選択をしていきたい
美容業界の皆さんにとっては、「働く環境」を見直す良い機会だったのかもしれませんね。リジョブの皆さんの働き方に関しての考え方は何か変わりましたか?
大貫:リジョブでは、コロナだからこうする、ということではなく、こういうことをきっかけにどう強い組織にしていくのか、ということを重要視しています。なので、働き方をどうするのか、ということよりもどういう状況になったとしても、大切なものを大切にし、「どう会社創りをしていくか」というところを常に考えていますね。その上で、働き方について、様々な取り組みを始めています。
赤羽:取り組みとしては在宅や時差出勤などを行っていますが、それをするかしないかだけではなく、「次に何があっても揺るがない組織にするためにできることは何か」をみんなで考えています。今回のコロナのような有事がまた来るかもしれない。いつ不景気になるか分からない。今後いつ、どうなるかは分からないということを、2020年を通して痛感しました。
色んな所で、色んな形で働けるようになってもチームワークが乱れない組織でありたいと思っています。対面コミュニケーションやチーム創りが今のリジョブのカルチャーを作ってきたこともあるので、「周囲の価値観がこうだから」という判断軸だけではなく、「みんなの想いを結ぶために、リジョブとして、今の状況下でできることを最大化させるためには」ということを軸に置いて議論しています。漠然と制度にしてしまうと、当事者意識みたいなものは失われてしまいます。それはリジョブらしいとは言えないなと。みんなが納得して、その時その時に「全体最適」と思えることを継続して選択していきたいと思っています。
「働く」ことに関する価値観が変わった2020年でしたが、未来の組織・マネージャーにはどんなことが求められると思いますか。
大貫:特にリジョブが大切にしているのは、根底のすり合い方。経営陣もしかり、私たちマネージャー陣が「本質」を大事にして自分たちの意志をしっかりとメンバーに示してすり合わせていくことは、とても大切です。
意志を示したうえで、メンバー達の意見を聞き、目線が合っていないところをチューニングしていく。このプロセスを踏んだときと、踏まなかったときだと、目的地に対しての力強さは大きく変わると感じています。
赤羽: リジョブで何か決めごとをするときに軸にしているのは、「OR」ではなく「AND」で考えること。
社会性と事業数字や、事業と組織、チームと個人。社会に対して、同じ志をもつ仲間だからこそ、そのメンバーの大事にすることも大事にしていきたい。そういうチーム感が強いのがリジョブ。
私自身は、今の働き方のままで家庭も欲しいのですが、(笑) 女性は、ライフステージが変わると物理的な制限がかかってきますよね。「AND」でものごとを決めるときは、時にどちらかに比重が出てしまうことに対して周囲の理解がとても大事です。楽なことではありませんが、志が同じだからこそ、互いの状況を理解した上で、「支え合おう」となり、みんなが「AND」で人生を選択し続けられる組織が理想ですね。リジョブの仕事は、まずは手の届く範囲の人を幸せにすることからだと思っています。「OR」ではなく、「AND」で考えていかないと、社会貢献は実現できません。
最後に、今後はどのように成長していきたいですか。
赤羽:一言で言うと、幸せな人の数を増やしたいと思っています。
先ほどお話した通り、働いている従業員が幸せでないと、サービスに関わる人を幸せにはできません。より広く、深くすることでしか、業界貢献・社会貢献という大きなことにチャレンジはできませんよね。より深く、より多くの人を幸せにすることを個人的にはこだわって今後もやっていきます。事業も、組織も、「幸せな人の数を増やす」ためのもの。メンバーが幸せで、私も幸せで(笑)。そのサイクルをつくっていきたいと思っています。
大貫:プロダクトビジョンを今年から掲げ始めたので、「想いの強い業界」で良い実例をリジョブを通してたくさんつくっていきたいですね。徹頭徹尾やっていくことは非常に難しいと言われていますが、リジョブはあえてビジョンを体現していくことをやろうとしています。これまでずっと創りたかったのが、「採用数を増やす」という目標以上のストーリー。リジョブでどれほどの数の採用が生まれて、どのくらいの人達が活躍出来ているのかを今後は追っていったりしてみたいです。
冒頭にもお話した通り、美容業界は「他者への想い」が強い業界ですが、一方でキャリアが積み上がり難いとも言われています。年次が上がるごとに、最終的に業界から離脱してしまうことも多いです。リジョブが「採用」という一部に関わるだけではなく、より深く関わるシーンを増やしていき、キャリアの未来をつくっていくことや、キャリアが積み上げていくことでたくさんの方々の想いが叶っていくキッカケを、サービスを通して届けていきたいです。
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