新組織ライフサポートDivision|プロジェクトマネージャー4人が目指す「業界貢献」とは(後編)

じげんに2020年7月に新設された「ライフサポートDivision(以下ライフサポートDiv.)」はリフォーム領域の「リショップナビ」「プロヌリ」、エネルギー領域の「エネピ」「グリエネ」を展開している。この部門は、同年2月にM&Aをした株式会社アイアンドシー・クルーズ(以下IACC)のメンバーで主に構成されている。 今回は、IACC新卒入社のプロジェクトマネージャー (以下PM・左から石塚・釜瀬・渡邉(リフォームPJT)・今村(エネルギーPJT))4名へインタビュー。前編では彼らのこれまでのキャリアについて、後編ではM&A開示後~ライフサポートDiv. 誕生までのストーリーとこれからの展望について、彼らの目線でありのままの気持ちを語ってもらった。
突然のM&Aの発表。自分が未来を変えていれば、今ここにいないかも知れない
ライフサポートDiv.は変化を楽しむ風土で柔軟性の高い若い方の組織だとお見受けしました。 M&Aの発表時も「新しい変化」とすんなり受け入れることができたのでしょうか?
石塚:しばらくの間は猛省していましたね。
前編でお話しした、私がマーケティング責任者になって数字が落ち込んでいた矢先の発表でしたので、自分がもっと良い結果を出していれば結果は違ったかもしれないと、責任を感じていました。
釜瀬:私も石塚と同じですね。発表を受けた直後は、「自分が至らなかったからだな」と、非常に申し訳ない気持ちが強かったですね。新卒で入社して以来、経営層の皆さんからは本当にかわいがっていただいていたので、これから恩返しをしていくぞ!と意気込んていたタイミングでした。
渡邉:入社時は10数名だった組織から、80名弱の組織になるまで、IACCと一緒に育ってきた感覚もありましたので、ひとつの会社がなくなることに、虚無感のようなものを感じました。
2019年度上期の状態が良ければ、IPOも夢じゃないという流れもありましたので、私が3つのサービスの事業責任者をしながらも、業績を上げ切ることができなかったのでとても責任を感じました。結果次第では全く違う未来があったかもしれないと思っています。
今村:ほとんど言われちゃったのですが(笑)、発表のあった当初は、悔しさ・寂しさ・申し訳なさと複雑にいくつもの感情を抱きました。
私が手掛けているエネルギー系サービスはまだまだ発展途上です。2019年にエネルギー事業をマネジメントするようになり、私に代わってからなかなか結果につなげられなかったことへの悔しさと、申し訳なさはなかなか拭えませんでした。

じげんジョイン後の中期計画書作成が、仕事の仕方を大人にしてくれた
皆さんの複雑な気持ちの整理をつける間もない中、「中期計画書の作成」を手掛けられたと伺っています。じげん社員との初めての共同作業だったと思いますが、いかがでしたか。
石塚:作業としては、サービスごとにIACCのフォーマットから、じげんのフォーマットへスイッチさせて計画書を作成するものだったのですが、すごく勉強になりました。
今まで重要視していなかった切り口で数字を並べて、「ここが課題だったのか」「ここはまだ採算を取りにいける」と新しい発見の連続でした。
可視化することで私個人だけではなく、チーム全員が課題を整理することができました。
中期計画書(以下中計)作成後は、新しい指標をチームで掲げるようになったのですが、「いかにお客様に長く使っていただけるか」がチームの共通言語として増え、メンバーの視座が格段に上がったと感じています。

釜瀬:私は上場企業とベンチャーの差を感じました。
IACC時代は人数規模が少ないこともあり、特定の人とコミュニケーションをしていたので、「言わなくても通じてしまう状況だった」ことに気付かされました。
例えば、資料づくり。トーン&マナーを守ることが全然私ができていなくて。(笑)当初は苦戦しましたね。それはお作法を徹底するということだけではないと理解していて、「伝わるように伝える。その責任が自分にある」ということの重要性を改めて勉強させてもらえました。これまで定点観測していなかったものを洗い出し、「やってたつもりだったけど、やれることがまだまだある」と感じています。「したつもり」になっていたことの棚卸がしっかり出来ました。

IACC時代はどういった形式で計画を立てていたのでしょうか?
渡邉:IACC時代も中期の事業計画を立てる機会はあったのですが、合宿形式の短期的なものでした。
じげんにジョインしてからは、1カ月みっちり議論を重ねて、資料を提出する形に仕上げます。ボリューム感も計画の深さもこれまで以上に充実したものになりました。そのためか、経営層から鋭く質の高いフィードバックをいただくことができました。マクロ・ミクロ両方の目線から、多角的にご指南いただけたことは驚きと発見の連続でしたね。
余談ですが、この期間中に釜瀬が新婚旅行に行ってしまったので、僕が彼の資料のトーン&マナーを直しました。 (笑)
一同:笑

今村さんはいかがでしょうか?
今村:僕はこのM&A から中計策定の期間が「人生で一番働いたな」と思ってます。(笑)
通常の業務を回しながら、何から手を付けて良いか分からないプロジェクトに取り組む。期間で見ると短いのですが、とても濃厚な時間でしたね。
マーケットの追い風もありますが、この中計をしっかり作りこんだことで、4・5・6月はライフサポートDiv. は非常に良い結果を出すことができたと思っています。ちゃんと戦略を立てて、戦術を作ること。短期的ではなく中長期的に考えること。目の前のKPIにこだわった「ベンチャーならでは」の事業の伸ばし方から少しずつレベルアップしているのを肌で感じています。
これまでは、目の前の数字を達成しても売上と収益のトレードオフになってしまうことがよくあり、メンタル面でもフィジカル面でもその度しんどい想いをしていました。明確なゴールを中期で掲げることで、目先の数字や環境に惑わされず、冷静に捉えられるようになりました。今回の中計では、みんなが一段高い、大人の仕事の仕方を覚えたと思います。(笑)

これまでチャレンジできなかったことを じげんでカタチにしていきたい
じげんと一緒になったことで、期待していることはありますか?
今村:ユニット(事業部を横断した開発・マーケティングの専門組織)の方とご一緒する機会が増え始めているのですが、じげんの皆さんはプロフェッショナルな方が多い印象です。我々は新卒で入社した時から「広く働く」ことをしてきました。いわゆるジェネラリストですね。
対して皆さんは深く仕事をされてきた方が多いので、意見交換するだけでも非常にユニークでプロフェッショナルです。アイデアの幅も大きく広がって、今からとても楽しみですね。私たちはスピード感がウリなので、プロフェッショナルな皆さんと大きなイノベーションを興していきたいです。
渡邉:運用スケールがこれまでより拡大したので、届けられる範囲が一気に増えました。ベンチャーはどこもそうだと思うのですが、これまで地道に0→1を積み上げて、少しずつスケールを大きくしていくやり方でしたが、じげんにジョインしたことで変わってきています。
これまで、アプローチしても全然相手にされなかった企業とビジネスができることにワクワクしていますね。

釜瀬さんはいかがでしょう?
釜瀬:IACCの時は、事業の核となる部分の話を交わす相手が固定されていました。じげんにジョインしてからは、似たような立場のPMが他部署にも多くいますので、彼らとのコミュニケーションを通じて、多角的な視点で意見交換をしながら事業を伸ばしていけることが楽しみですし、私個人としても色んな考え方や見方を吸収していきたいと思っています。
石塚:IACCと比較すると、じげんは大きな企業ですので、これまで以上に選択肢が拡がることが純粋に嬉しいです。じげんの皆さんはビジネスに対する知識や意欲がすごい。とりわけ同世代の社員とのディスカッションは、学びと刺激に溢れています。

しなやかな瞬発力を武器に、業界に対してインパクトを残していく
今後の展望があれば教えてください。
今村:エネルギー領域では、業界全体の負を改善していきたいと考えています。
例えば、「太陽光エネルギー」は、一時のバブルのような時期からは冷え込んでいる状況と言えますが、昨今よく耳にする地球温暖化をはじめとする環境問題と直結しているサービスです。
「エネピ」・「グリエネ」共にその領域のナンバー1を目指して、我々のサービスをもっと身近に、より使いやすいものにしていきたいですね。

リフォームPJTの皆さんはいかがでしょうか。
釜瀬:リフォーム系の比較サイトは世の中にたくさんありますが、私たちのこれまでの経験を生かして、今までにない「価値」を提供していきたいと思っています。このサービスが世の中に役立っているか、必要とされているか、市場に変化をもたらしているか。業界に貢献できているか。常に自分に問いながらサービスを作り続けてきました。その観点では自社サービスにはまだまだ足りていない点も多いのですが、その分、可能性は無限大だと感じています。
デジタル経済が進む中、情報格差はなくなりつつあると言われていますが、業界によってはまだ残っている領域もあります。とりわけ外壁塗装の領域では、ユーザーが誤った情報に左右されてしまう現実が往々にしてあります。「プロヌリ」を通してもっとオープンに、安心してサービスを利用できるようにしていきたいですね。
石塚:「リショップナビ」は、タッチポイントをもっと増やしてユーザー・クライアントが集まる仕掛けを作っていきたいです。
例えば、加盟店にユーザーを紹介した後「リショップナビ」を通じてできることは他にないか?など、新しいことを常に考えています。先日リリースしたチラシ制作サービスもその一環です。
リフォーム業界では、デジタル化がなかなか進んでいない現実があります。紙台帳、現金振込、電話問合せなど、各社にとって全て意味があり、急に変化させることは難しいとは認識しています。しかし、数年後には、これまで「良し」とされてきたものも、きっと変わっているはず。我々のサービスによって良い変化を起こしながら、業界を盛り上げていきたいですね。
そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させ、業界にイノベーションを興していきたいと考えています。このコロナ禍を経験したことで、アクションは起こしやすくなっているはずです。

渡邉:私は「リショップナビ」に次ぐ新しいサービスを立ち上げ、成功させたいですね。
今すでにある、ライフサポートDiv.の資産を活かしながらタテ・ヨコ・ナナメに事業を拡げていきたいと考えています。
我々が長らく関わってきているのは、住宅・戸建てをお持ちのユーザー様と、その方たちをサポートする専門業者の皆さんです。例えばですが、エクステリアやガーデニングなんかも良いですよね。
我々の強みは、ベンチャーで培った事業を立ち上げるスピード感だと自負しています。そこにじげんの強みであるビジネスの伸長力が加われば、一気に加速することができるはず。いち早く皆さんにお披露目できるように頑張ります。